源氏香とは
源氏香とは、平安貴族の間で流行した香あわせのことを言います。
五種類の香を5包、計25包作り、任意の5包を取り出して焚き、香りの異同を嗅ぎ分けて5本の縦線に横線を合わせた図で示します。
その図は、全部で52種類あり、紫式部の源氏物語でも使われています。
熨斗について
熨斗と言えば、贈答品の上に掛ける紙を想像される方が多いかもしれません。
しかし、贈答品に掛けられた紙はいわゆる「掛け紙」であって「熨斗」ではありません。重要なのは、その掛け紙に描かれているものです。横に赤く引かれた線は「水引」と言います。そして、その右上に描かれたもの、これが「熨斗」と言われているものです。熨斗とは、もともと熨斗鮑と言い、干しアワビが起源とされています。日本書紀によれば、天照大神の命によって倭姫命(やまとひめのみこと)が伊勢に御鎮座を終えたのち、 志摩の国崎(くざき)で海女から差し出された鰒(あわび)にたいそう感動し、伊勢神宮への献上を求めました。 海女は、これに応えて「承知しました。生のままでは腐りますので、薄く切って乾燥させましょう」と言ったとか。これが、熨斗鮑のはじまりです。
また、鮑は古来より、栄養価が高く精がつくと言われてきましたので、最上級の贈答品であったと考えられます。
それが時代を経て、食べ物から儀式・儀礼のモノと変化していき、祝意を表すシンボルとなったのです。
【水引の種類】
◇蝶結び(花結び)
何度あっても良い祝い事や感謝の気持ちを示すときに用いられます。
例:御祝、御礼、内祝など
◇結びきり
一度結ぶと引っ張ってもほどけないため、二度と繰り返さないという意味合いがあります。
例:婚礼、弔事など
◇あわじ結び
結びきり同様、一度、結んでしまうとほどくことが困難な結び方です。
人生で一度きりでありますようにと願いを込められています。
例:婚礼、弔事など
【水引の色】
慶事では通常、紅白を使用することが一般的ですが、紅金や金銀を使用する場合もあります。
仏事では通常、黒白を使用することが一般的ですが、関西方面を主として、黄銀を使用する場合もあります。